音楽についても批評を展開したいと思ってるので、俺の音楽遍歴をちょこっと書いておくよ。今までの経歴と同様に側から見れば、兎にも角にも一貫した節操のなさが俺の持ち味といえるもので、翻れば興味関心の広さが俺の人格を形成してるとも言えるから。それでは、さっそく。
音楽に興味を持ちはじめたのは中学になってからで、友人から借りたSKID ROWのCDがきっかけでハードロックにハマる。
高校になるとさらなる悪ノリが興じてPANTERAとかのメタルにまで発展するんだけど、もう自分が何を求めてるのかワケわからなくなって、結局のところ俺は重低音が好きなんだということに気づき、それならば潔く無駄な部分をすべて削いでHIP HOPを聴けばいいんだと開き直る。雑誌か何かで見てはじめて買ったのがDJ KRUSHの「Milight〜未来」というアルバム。初心者がよくこんな玄人向けのものを最初に買ったなという印象なんだけど、これに衝撃を受け、良くも悪くも俺の音楽観を形成する重要な礎になったんだわ。KRUSHさんは今でも俺の中のヒーローだ。
時は90年代、そこから一気にUSのHIP HOPにのめり込むようになり、いわゆるニュースクール末期のリアルタイムから遡ること創世記のオールドスクールまで徹底的に聴き込んだ。中でも特に好きだったのはD.I.T.C.など東海岸のハードコア(ハーコー)といわれたコンサバティブな世代。
アブストラクトで前衛的なHIP HOPシーンに魅せられるようになり、この頃になると大阪の伝説的なアンダーグランド・イベント『土俵』周辺でよく遊んでた。変則的な趣向性が高じてジャズにも興味が湧き、インディペンデントなSTRATA EASTやTRIBEといった70年代の、いわゆるスピリチュアル・ジャズにのめり込むようになる。当時はここらへんの生音をヒップホップ・イベントでDJプレイできないか模索してたりもして。Larry Heardなんかのシカゴ系やデトロイトのURといった4つ打ちなんかも聴いたし、Body&Soulの流れでFrancois K.あたりはかなり好きだったな。このあたりから射程がジャンルレスになってったのね。
そんな折、アメリカ西海岸のレーベルSTONES THROWのイベントが大阪で行われ足を運んだ。このイベント、目玉はヒップホップDJ のピーナッツバターウルフだったんだけど、帯同していたイーゴンという当時ほとんど無名だった稀代のレコード・コレクターもDJ することになり、彼がプレイしたDeep Funkなる未知の音源に一瞬にして心奪われることになる。このイベント後に即座に聴いた同氏によるコンピレーションアルバム「The Funky 16 Corners」に魅了された。
ジャンルとしてはUKでこそ御大Keb Dargeが隆盛を極めていてブームとなってたが、当時はあれほどファンキーでアグレッシブな音は日本で聴いたことがなかった。以降、私財を投じてこれらのディープファンク音源を収集していくことになり、気がつけば日本でも有数のコレクターになってた。
ありとあらゆるオブスキュアな音源を掘り尽くしたすえに、この分野ではほかに聴くものがなくなってしまい、ディープファンクの流れを汲んだUKの現行バンドLittle Barrieを皮切りに次第にRockに傾斜するが、2000年代初頭のクラブシーンにおけるDubの復興に感応するかのようにRoots Raggae/Dubに回帰するようになり、この流れは薄くではあるけど続いてる。
そして今はとゆうと、同時期に立ち上がったムーブメントのひとつであるポストパンク・リバイバルが今さらながらにおもしろくなり、ここでも時代に逆行するかのようにガレージロックやパブロックにまで遡ったりしてオルタナティブな方向を楽しんでるとゆうワケ。
国内シーンでは何も聴いてなかったのかといえばそうでもなく、昨今のニュージャズやポストロックはクオリティが非常に高くってさ、前者だと最近惜しくも解散しちゃったけどIndigo Jam Unit、後者だとtoeあたりはとくに注視してる。
とまぁ、とりとめないっちゃあとりとめないんだけど、幅広いジャンルを熱くヲッチしてる今日この頃。そんなわけで今後、各分野を私論たっぷりに投稿してくわ。